天体とその原始的な位置について

古来から、占星術師は天体と星座(サイン)の関係を仮定してきました。蟹座は月に支配され、獅子座は太陽に支配されているように、サインの性質を最も直接的に表現する惑星を「支配星」と呼びます。この関係性であるルーラーシップは、チャート解釈の際によく用いられます。
例えば、ある人が牡羊座を第2ハウスのカスプ(境目)に持っている場合、占星術師は牡羊座のルーラーである火星の位置を分析します。そのサイン、ハウスポジション、アスペクトを含めて、収入に関する問題を説明します。

高揚(エグザルテーション)も天体とサインの親和性を反映しますが、ルーラーシップのように解釈的に使用されることはありません。第5ハウスのルーラーが第10ハウスにあるというようなリンクがないので、占星術の分析ではあまりダイナミックな要素ではありません。とはいえ、高揚しているサインの天体は、支配しているサインの惑星と同様に「威厳がある」、つまり強化されるのです。

どちらも、惑星とサインの間にポジティブな関係があることを示していますが、この適用の違いを別にすれば、支配と高揚の区別は完全には明確ではありません。しかし、ひとつの考え方として、「高揚」は天体のエネルギーの最高の表現であり、「支配」は惑星のエネルギーを最も効果的に表現するものと考えられます。高揚という言葉は、何か優れたもの、あるいは天体の潜在能力を理想化したようなものを意味しています。

以下は、占星術における惑星の高位配置のリストです。

太陽:牡羊座
月:牡牛座
水星:乙女座
火星:山羊座
金星:魚座
木星:蟹座
土星:天秤座
天王星:蠍座
海王星:獅子座
冥王星:牡羊座

天体と星座(サイン)の関係

太陽は、純粋な存在を表す最初の星座である牡羊座で高揚に位置しています。太陽は、自我意識が発達する獅子座を支配していますが、牡羊座は生命の輝き、その原初的な表現です。高揚と反対のサインにある惑星は、惑星とサインの困難な関係を象徴する「減衰(フォール)」になります。これらの分類は、天体とサインの類似性、非類似性、表現のしやすさを反映します。

占星術師の中には、高揚やルーラーシップを使って魂の質や過去世の性質を表現する人もいますが、どのチャートもそれなりに完璧であると考えることが重要です。もちろん、簡単なのはいいことですが、必ずしも良いとは限りません。太陽が天秤座にある時は、他人のニーズを満たすために太陽の意志を妥協しなければならない関係を示すサインです。滋養を表す月は、豊かな土のサインである牡牛座で高揚しています。満足と物質的な幸福は、飢えた月のニーズを満たす牡牛座の伝統的な性質です。月が秋の蠍座にある時、深い欲望と喪失の予感がしばしば自分の感情的な快適さへの挑戦となります。

天体と「高揚」

水星は乙女座で高揚であり、また支配星でもあるので、例外的な存在です。この理性的で分析的な土の星座では、知的な天体の精神的な鋭敏さが高められます。一方、水星は魚座に位置している減衰の時、感情的で論理的な判断ができなくなる可能性があります。
金星はスピリチュアルな魚座で高揚している時、その愛に対する能力は理想主義と思いやりに満ちています。
自己主張の強い火星は、野心的な山羊座で高揚し、その行動や衝動は建設的な方向に向かいます。戦士の星・火星は、蟹座の自己防衛本能によって行動力が鈍ります。
陽気な木星は蟹座で高揚し、その寛容さと知恵は、親しい友人や家族に温かく注がれます。しかし、木星の楽観的な性質は、減衰サインの厳格な山羊座で制約を受けます。
土星の高揚は正義を愛する天秤座にあり、その慎重なスタイルがよく似合います。そして、衝動的な牡羊座は、準備と先見の明に欠けるため土星は落ち込みます。

高揚のサインを持つ惑星は、より純粋に共鳴します。しかし、この「ギフト」は、自然にうまく機能するプロセスに対する洞察力の欠如を反映することもあります。
天体が減衰(フォール)によって、あるいは他の技術的な「弱点」によって困難になる時、それらを理解する旅は遠回りになりますが、おそらく最終的にはより豊かなものになるでしょう。
また、目に見える惑星にはそれぞれ高揚度があり、原理的には惑星をより豊かにすることができます。しかし、これらは現在の占星術の実践ではあまり使われていません。

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